サッパリ状態の山田。
予想したレースを含め、土日壊滅してしまった。
すっかり今週はおとなしい日々を過ごしていた。
春分の日に、プロ野球パ・リーグが開幕。
日本ハム戦を札幌ドームで観戦はできなかったが、テレビ観戦でビール片手にやんや。
ダルビッシュが投げた初球が直球ではなく、変化球。第1バッターに対してすべて変化球を投げた。今年は、また違ったダルビッシュが見られそうだ。
土曜日夜、「Horse pub」で夕刊紙を見ながら、お客さまを待っていた山田。
そこに、初顔の男性が来店した。
見た目は20代後半か・・・・。
「いらっしゃいませ・・こんばんは」
男性は、「ビール1杯」と。
「サッポロクラシック、エビス、ギネスなどありますが・・・」
「クラシックを」
山田は、ビッググラスにクラシックを注いで、男性の前に置いた。
グイッと良い飲み方をする男性。うまそうに飲んでいた。
男性は、夕刊紙に目がいった。
「今年になって、競馬をやり始めたんですよ・・・。明日のおすすめは?」
いきなり、競馬の話を振ってきた。
「お兄さん、楽しむのであれば、阪神大賞典のチャンストウライかな」
「良い名前ですね。買ってみようかな・・・」と男性は話した。
山田は、「うちの店、どうやって知ったの?」
「ま、ちょっとしたところから・・・」と男性は言葉を濁した。
結局、ビール1杯飲んでから、帰った。
山田は、いつものとおり夕刊紙を再度見る。
「チャンストウライ来たら、最高なんだけどな・・・」とつぶやく、結局はスプリングSへ。
レッツゴーキリシマを軸にアサクサダンディ、アイティトップ、ショウナンアルバ、ドリームシグナル、ベンチャーナイン、レインボーペガサス、スマイルジャックへ手広く3連単マルチの126点買い。
当たってもいないのに、よくも126点マークするものだ。
マークが終わり、山田は、ふと考えた。
「あの兄さん、どこでうちを知ったのだろうか・・・」
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日曜日、一口馬主の同級生から連絡が来た。
阪神の1000万下特別に出走したが、大敗したとのこと。
かなり諦めモードだ。
山田は、以前一口の誘いを受けたが、断ったことがある。
維持金だけでもかなりの額になるだけに、一口を維持できないとの判断からだ。
同級生は、どれくらい出資しているのだろうか・・・。
おじさんから、弥生賞終了後、メールが来た。
「山田よ。馬券取ったんじゃ・・・」と。
山田は、◎○▲のピタリであったが、弥生賞自体馬券を買わず、「見」だった。
「馬券なんて買ってないよ。中京記念勝負だったからな・・・。ダメだった」
馬券を買った中京記念は4角で狙ったニルヴァーナは一杯でハズレ。
木曜日の夜、日本ハム中田の2軍行きが決まった。
あのぶてぶてしい態度が気に入らないだけに、山田としてはホッとした。
土曜日夜、店を出している「Horse pub」で、夕刊紙見ながら予想。
「1800㍍で好成績のイクスキューズを狙おうか・・・。ハンデも手頃だし・・・」と中山牝馬Sを買うようだ。マークを見てみると、またもや1頭軸マルチでニシノマナムスメ、レインダンス、ハロースピード、マルノマンハッタン、コスモマーベラス、ダンスオールナイトへ。人気馬2頭が絡むようなら、取り損なのだが・・・。
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先週はとても忙しかった山田。
なぜか、店が大繁盛で、ビッシリ。店を閉めたあとは疲労でバッタリ。次の日は飲む元気もなかったようだ。
スポーツ紙で某テレビ局女子アナが結婚するという記事を目にした。それで気になったのが、以前交際していた某騎手。北海道シリーズでは体調不良で騎乗ができなくなったことも・・・。そしたら、記事が出たその日のレースで降着、騎乗停止。
「影響があったんだろうな~」と山田はつぶやいた。
スズパレードが亡くなった記事を見た。
昭和57年の宝塚記念を勝ったときは感慨深いものがあった。
なぜなら、その前、当時12月に行われていたダービー郷チャレンジトロフィーを2勝し、地道に上を目指し、ビッグレースを制したからだ。
土曜日昼間、バスターミナル地下の食堂へ出かけた。
きょうは、ここで「おじさん」との競馬談義。
店に顔を出したら、マスターが「オッ、迷コンビか」と。
いかにも、二人が当たっていないことがわかるフレーズだ。
ビールを飲みながら、夕刊紙片手にスタート。
「とうとう皐月賞トライアルか。前走、負けたけど武豊のブラックシェルでしょ」とおじさんが話せば、「あまりにも位置取り悪いよ・・・あれは。今度は巻き返すだろうよ」と山田。
しかし、山田は例年堅い弥生賞は買わず、ローカル重賞でハンデ戦の中京記念へ。
「実績考えるとローゼンクロイツだろうけどな・・・」と山田。
おじさんは「中京も実績あるし、この相手なら堅いんでない」
「どうもなあ~。ハンデ頭を買う気にならん。デビュー時から注目しているニルヴァーナから行こうかな」
どうやら、ニルヴァーナから買うようだ。相手にコーナーストーン、サンバレンティン、ワンモアチャッター、ピカレスクコート、シルクネクサスと押さえのローゼンクロイツの6頭へ1頭軸マルチの3連単、得意の90点買い。しかし金は乏しく100円ずつ。
弥生賞といえば、昔、不良でサクラホクトオーが惨敗したのを山田は思い出した。そういえば、その馬が好きだった一口馬主の同級生から連絡が来ない。
持ち馬が障害戦で負けたあと、連闘で1000万下特別戦出走も惨敗。
「かなりのショックを受けているのだろう・・・」と。
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ダイヤモンドSは、あっけなく沈没した山田。
最近、馬券が当たっていないことから、財布の中が寂しく、今週はおとなしく自分で店を出しているバー「Horse pub」で仕事をしている。
気になるニュースがあった。
競馬専門誌ホースニュース馬の休刊だ。
山田は人ごとではないと感じていた。
それは、山田が以前会社勤めをしていたが、人員削減があり、それを機に退職し、店を出す決意をした。
「何とか、ならんものか・・・。他の専門誌等で雇うことができないのか・・・」とぼやいていた。
土曜日の夜、店に「おじさん」がやってきた。
バーボンのロックを頼んだ。
山田は、ブラントンゴールドを出した。栓が競走馬の形になっているものだ。
当然ながら、フェブラリーSの検討会開始のサインであった。
山田から「ダイワスカーレットが回避して、楽しみが減った」
「確かに。俺はダイワから買うつもりだっただが・・・。ヴァーミリアンはどう?」とおじさん。
「やっぱりマイルが良いといえんしな~。あくまでも押さえだな。」
「ワイルドワンダーとかペリエのロングプライドあたりか・・・」
「ロングプライドは好きなんだけど・・・。どうも最近ピリっとしないし、ヴァーミリアンより外枠を引いたワイルドワンダーもどうか」山田は迷っているようだ。
おじさんが帰り、山田ひとりで冷えたジンのボンベイサファイアをストレートを飲みながら、考えた。
どうやら、昨年のこのレースではダメだったメイショウトウコンから、1頭軸マルチで、ブルーコンコルド、リミットレスピッド、地方のアンパサンド、ロングプライド、人気のヴァーミリアン、ワイルドワンダーへ100円ずつで流すようだ。
どうなるのやら・・・。
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シルクロードSで山田はアツくなった。
それもそのはず、先に抜け出したファイングレインはヒモ相手も、内から伸びてきたのは軸にしたステキシンスケクンだった。1頭軸マルチで買っており、残り1頭が問題だった。
残り1頭がステキシンスケクンと並んで伸びてきたのは、ノーマークのコパノフウジンだった。
「何だよ~。コパかよ・・・やられた~」
もし、コパノフウジンが来なければ次に来ていたのは人気薄のリキアイタイカン。山田はリキアイタイカンをヒモ相手にしていたのだ。それだものアツかった。
次の日の月曜は祝日で、「おじさん」とは会わなかったが、土曜日の夕方から以前働いていたときに通っていたバスターミナル地下の食堂で待ち合わせし、飲んだ。
当然会話は、シルクロードSのことだ。
「なんでコパノフウジンが来るのよ~」
おじさんは「それよりもアストンマーチャンだよ」
「初めて重い斤量背負って力んで走ったからだよ」
「牝馬は難しい・・・」
2着馬のことは話からなくなっていた・・・。
今週はダイヤモンドS。
「アドマイヤモナークはどうだ?」とおじさんが話せば、山田は、
「アンカツが東上するんだから、ま、崩れることだいだろうけど・・・」
「アンカツから、2、3頭流すつもりだよ」
山田は、「アドマイヤモナークとブリットレーンの2頭軸マルチで、1、9、11、12、14へ流すかな」
山田はおじさんと別れたあと、学生時代の同級生からメールが届いた。
同級生はあるクラブ会員の一口に入っており、明日の京都の障害戦に出走するとのこと。
「折り合えればチャンスあるだろうな」とつぶやいたのであった・・・。
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日曜の朝、JRAのサイトを見ると、東京競馬が明日へ順延となった。
山田の根岸Sの狙いは、アドマイヤスバルから変えようとしなかった。
月曜日、昼過ぎにWINS札幌へ出かけ、珍しく滞在してレースを見ることにした。
「ひどいビシャビシャ馬場だな。ダートは絶対先行有利だ。」
こういう馬場になると、いくら直線が長い東京であっても、差し勢は苦しくなる。
根岸Sがスタートし、タイセイアトムが逃げそのまま粘る展開に、「やっぱりそうなるか・・・」と愕然。狙ったアドマイヤスバルは故障馬のアオリで後方に下がってしまい、そこで終わってしまった。
「仕方ねえな。それでもよく3着に来たもんだ」と納得していた。
競馬が終わり、山田は、いつもと変わらない月曜の過ごし方をしていた。
夜、安い焼き鳥屋に出かけることだ。
そこには、通称「おじさん」と呼んでいる元仕事の仲間である。山田の先輩にあたる。
焼き鳥屋で競馬談義に盛り上がり、時間が過ぎていった。
あっというまの一週間で、早くも週末。
山田は、シルクロードSを買うようだ。
「牝馬のアストンマーチャンは56kgは厳しい。ステキシンスケクンから買うか・・・」
3連単1頭軸マルチで、相手に古豪のマルカキセキ、リキアイタイカンに、人気ところのアストンマーチャン、ファイングレインにマーク。100円ずつらしい。
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まえがき
なかなか、ホームページの競馬予想をごらんになられていないので(ごもっとも予想が当たっていないのもあるが・・・)、ここではミニ小説で載せていきたい(小説なんかいままで作ったことありません)。夕刊紙小説のパクリにならないよう、頑張っていきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いします。
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ある男を紹介しよう。
名は「山田 洋一」、35歳。親の影響で幼い頃から競馬新聞を見ていたヤツだ。
2年前から、経験もないのにBARを開店させた。「Horse pub」。名前を見てのとおり、競馬を意識している。ちなみに、繁盛しているとは言い難い。
山田の1日は、こんな感じだ。
朝は、目覚めが早く6時。朝食はほとんど取らず、ワイドショーを見て時間が過ぎていく。昼はカップ麺、夕方から競馬仲間と出歩き、夜やっと店を開店している。
競馬仲間については、あとあと触れていこう。
BARはいたってシンプルである。シェイカーは市民講座等で習い、細工するわけでなく、基本に忠実である。
競馬を予想するにあたって、幼い頃からの知識をいかし、基本1番人気は狙わない。
ここ数年、3連単しか買っておらず、したがって、なかなか配当を得られていない。
今週は東京新聞杯、根岸S、京都牝馬Sが行われるが、山田は根岸Sを買うようだ。
「重賞を勝っているのもいるし、前走初ダートを快勝したマイネルスケルツィも出ているのか。最近は高齢馬が活躍か・・・。リミットレスピッドは昔でいうと10歳だから買いたくねーな。」
「ワイルドワンダーは関東馬だし、東京ダート1400メートルを3勝のアドマイヤスバルから行くか。前走の時計も速いな。」
どうやら、アドマイヤスバルから買うようだ。1着ないし2着固定で相手を3、4、7、11、15にマーク。100円ずつらしい。
土曜夜、夕刊紙を見ながらマークシートを書きながら、客を待っている山田。
これから、徐々にどんなヤツかわかってくるであろう・・・。